2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

■ 構図

今から四十数年前、 私がデザインの勉強をし始めた頃のこと。 その頃には、写植という技術もなければ、 ましてや、コンピューターなどという便利な機械もなかった。 ポスターを仕上げる時には、 文字は烏口や面相筆を使って一文字ずつ手で描くしかなかった。…

■ 休日

あと二ヶ月ちょっとで六十二歳になる。 思えば、私は十八歳の時から働きづめに働いてきた。 とうとう身体に軋みの音が聞こえるようになってきた。 とは言え、 まだまだ若い者に負けるつもりなど毛頭ないが、 「まだまだ」などという言葉が出れば出るほど 歳…

■ 整理・その48 / GABBY HAYES

「GABBY HAYES / ギャビー・ヘイズ」をモチーフにした しかけ絵本を入手する。 「ギャビー・ヘイズ」は、 あの「ジョン・ウエィン」などと共演していた映画俳優。 もっぱら西部劇にばかり出演していた俳優だが、 彼が主演の映画は一本も作られなかったはず。…

■ 整理・その47 / Yellow Square

「One Red Dot / あかまるちゃん」 「Blue 2 / あお2ちゃん」 「600 Black Spots / くろまるちゃん」に続く 「David A. Carter」の四作目「Yellow Square」。 前三作は「丸」がモチーフとして使われていたが、 新作の「Yellow Square」では、 「四角」がモ…

■ ERZ / エルツ

「ERZ / エルツ」のおもちゃ展の準備を進めている。 「SEIFFEN / ザイフェン」の玩具博物館から 重要文化財級のおもちゃを幾つかお借りすることになっている。 しかし、ドイツ語はややこしいなぁ・・・。 「kettenleuchter」という言葉を例にあげると、 「ke…

■ 整理・その46 / A BOOK of DAY-TIME

飛び出す絵本「A BOOK of DAY-TIME」が届く。 ページを開くと、 四種類の「日時計」が立ち上がってきて、 裏表紙には小さなコンパスが貼り付けられている。 このコンパスで南北の位置を調整し、 真北に向かって本を開くと、 真ん中から柱が立ち上がってきて…

■ AAA・その2

現代的なからくり人形の制作工房 「 Arima Automata Association 」を立ち上げたのは、 この七月二十四日のことだった。 立ち上げを記念して、 有馬温泉のギャラリーで展覧会を開いたのだが、 時期が悪かったのか、場所が悪かったのか、 それとも、我々の力…

■ 真珠

かねてからご相談のあった、 「真珠をモチーフにしたからくり人形」の制作について、 Sさんがアトリエにいらっしゃる。 「真珠」といえば、 誰もがまず思いつくのは「豚に真珠」ではないだろうか。 「鏡よ鏡、鏡さん。この世で一番美しいのはだ〜れ?」、 …

■ からくり塾・その4

今日は月に一度の「からくり塾」の開催日。 三年前から始めた「からくり塾」だが、 皆さん相当に腕を上げてきていらっしゃるから、 細々とした指示はほとんど必要としない。 講師としてはこんなに楽なことはないね。 皆さんには「制作の骨の骨」をお教えしま…

■ 休日

今日は久しぶりの休日。 今日は何もしない、と決めていたが、 明日は岡山の職場に出勤しなければならない。 で、まずは岡山に向かって車を走らせることにした。 アパートを午前八時に出発し、 一般道をゆったりとしたスピードで西に向かう。 今日中に岡山の…

■ 飯

九州からM君がやって来る。 からくり人形のことを研究しているらしいのだが、 大学にはその資料も乏しく、 また教えてくれる教授もいないらしい。 私にその辺りのことを教えて欲しい、という依頼であったが、 彼が持ってきた作品集を見て驚いた。 彼の作る…

■ 黒のスーツ

先日、M君の結婚披露宴が盛大に執り行われた。 その宴の最中、 弟のTから緊急の連絡が入る。 Tの嫁さんのお母さんが亡くなった、という連絡。 階段から転げ落ちたことが原因であったらしく、 意識が一度も戻らないままで旅立たれた、という。 今日もH君…

■ 映画館

Aさんの日記に 「ポップコーンは映画館の匂い」、と書かれていた。 Aさんはアメリカに住んでいらしゃったことのある方だが、 その日記を読んでいて、昔のことを思い出してしまった。 昨日の夕食の献立は忘れているのに、 昔のことは妙に鮮明に憶えている。…

■ 天の川

昨日は午後十時に神戸の職場を出発。 午前〇時に自宅に帰り着く。 玄関の扉を開けようとして、 夜空のあまりの美しさにしばし見とれてしまった。 この田舎に住んで二十年が過ぎようとしているが、 これほどに美しい星空を眺めるのは本当に久しぶりのこと。 …

■ 整理・その45 / Peter Rabbit

アメリカの古書店から、 バルチモアの「Ottenheimer Publishers」が 一九九四年に出版した仕掛け絵本、 「Peter Rabbit / ピーター・ラビット」の四冊セットが届く。 「The Tale of Peter Rabbit」 「The Tale of Benjamin Bunny」 「The Tale of Tom Kitten…

■ ダブルプレー

「ロバート・B・パーカー」の「ダブルプレー」を読み終える。 小説に登場するのは、 黒人初の大リーガーである「ジャッキー・ロビンソン」と、 彼のボディ・ガードである、白人の「ジョゼフ・バーク」の二人。 「ロビンソン」は「ドジャース」に在籍した実…

■ 整理・その44 / SANTA VISITS MOTHER GOOSE

ニューヨークの 「WHITE PLAINS GREETING CARD CORP.」社が 一九五十三年に出版した「飛び出す絵本」、 「SANTA VISITS MOTHER GOOSE」。 ある日、サンタクロースにマザー・グースからの手紙が届く。 「サンタのいないクリスマスなんて考えられない」 「マザ…

■ 出張

東京から帰る。 いろいろとプレッシャーはかけられたものの、 P社の方々との会食は実に楽しかったし、 O氏との対話もなかなかに実りが多かった。 今日は銀座の「月光荘」に出かける。 ヨーロッパにおける個展は何度かこなしているものの、 国内における個…

■ 初秋

昨日から岡山の自宅に帰っている。 日中の日差しも和らぎ、 雲にも先日までの勢いが見られない。 職場の前の林では、 つくつく法師がやかましく鳴いている。 つくつく法師が鳴きだせば夏も、もう終り。 「山寺や岩に染み入る蝉の声」などという俳句を思い出…