2008-01-01から1年間の記事一覧
K芸工大における講義二日目。 今日は簡単な動くおもちゃを作ることになっている。 両足をせわしなく動かしながら綱を渡っていく、 いわゆる綱渡り人形の制作。 人形の腰から膝の関節までの距離と、 膝から足首の関節までの距離を定め、 人形のデザインは各…
靴を履こうとして、 ソールがパックリと剥がれていることに気付く。 これではとても歩けそうにない。 二年前の冬のこと、寒さに耐えかね、 長岡駅前の靴屋で中敷きを求めたことがあった。 フエルトで作られた暖かな中敷き。 代金を払おうとしたら、 「余り物…
神戸から金沢を経由して新潟に出かける。 この仕事に関わるようになってから、 昨月で丸四年という歳月が過ぎてしまった・・・。 四年も経てば、取り巻く環境も大きく変化してしまう。 なのに、この新潟の仕事は少しも前進しない。 これは先月の日記にも書い…
オークション・サイトで見つけた ロシアの民話「カエルの王女」の飛び出す絵本。 表紙のタイトルも、中に書かれた文章も、 すべてはロシア語表記であるから、 いったい何が書いてあるのかさっぱり解らない。 しかし、物語のおおよそは記憶しているから、 絵…
「ヴォイチェフ・クバシュタ」の画集 「ONCE UPON A TIME」がアメリカの古書店から届く。 チェコスロバキアのプラハで印刷され、 ロンドンの「GOLDEN PLEASURE BOOKS」社が 一九六六年に出版したもの。 白雪姫、ロシア民話のカエルの王女、長靴を履いた猫、 …
午後からK芸工大に出かける。 今日から週に一度、 おもちゃの概念やデザイン、 からくり人形の制作手法を教えることになっている。 私の講座は「現代クラフトB」と呼ばれているらしい。 二年生は陶芸か木工芸を選択することになっていて、 前期の終り頃ま…
今日は三男のSの誕生日。 携帯から電話を入れたが、 何度かけても一向に繋がらない・・・。 ひょっとしたら、 また海外に出かけているのかもしれない。 画像は彼が六歳の時に作ったオブジェ。 私は現代的なからくり人形の制作を生業にしているが、 その制作…
今から四十数年前、 私がデザインの勉強をし始めた頃のこと。 その頃には、写植という技術もなければ、 ましてや、コンピューターなどという便利な機械もなかった。 ポスターを仕上げる時には、 文字は烏口や面相筆を使って一文字ずつ手で描くしかなかった。…
あと二ヶ月ちょっとで六十二歳になる。 思えば、私は十八歳の時から働きづめに働いてきた。 とうとう身体に軋みの音が聞こえるようになってきた。 とは言え、 まだまだ若い者に負けるつもりなど毛頭ないが、 「まだまだ」などという言葉が出れば出るほど 歳…
「GABBY HAYES / ギャビー・ヘイズ」をモチーフにした しかけ絵本を入手する。 「ギャビー・ヘイズ」は、 あの「ジョン・ウエィン」などと共演していた映画俳優。 もっぱら西部劇にばかり出演していた俳優だが、 彼が主演の映画は一本も作られなかったはず。…
「One Red Dot / あかまるちゃん」 「Blue 2 / あお2ちゃん」 「600 Black Spots / くろまるちゃん」に続く 「David A. Carter」の四作目「Yellow Square」。 前三作は「丸」がモチーフとして使われていたが、 新作の「Yellow Square」では、 「四角」がモ…
「ERZ / エルツ」のおもちゃ展の準備を進めている。 「SEIFFEN / ザイフェン」の玩具博物館から 重要文化財級のおもちゃを幾つかお借りすることになっている。 しかし、ドイツ語はややこしいなぁ・・・。 「kettenleuchter」という言葉を例にあげると、 「ke…
飛び出す絵本「A BOOK of DAY-TIME」が届く。 ページを開くと、 四種類の「日時計」が立ち上がってきて、 裏表紙には小さなコンパスが貼り付けられている。 このコンパスで南北の位置を調整し、 真北に向かって本を開くと、 真ん中から柱が立ち上がってきて…
現代的なからくり人形の制作工房 「 Arima Automata Association 」を立ち上げたのは、 この七月二十四日のことだった。 立ち上げを記念して、 有馬温泉のギャラリーで展覧会を開いたのだが、 時期が悪かったのか、場所が悪かったのか、 それとも、我々の力…
かねてからご相談のあった、 「真珠をモチーフにしたからくり人形」の制作について、 Sさんがアトリエにいらっしゃる。 「真珠」といえば、 誰もがまず思いつくのは「豚に真珠」ではないだろうか。 「鏡よ鏡、鏡さん。この世で一番美しいのはだ〜れ?」、 …
今日は月に一度の「からくり塾」の開催日。 三年前から始めた「からくり塾」だが、 皆さん相当に腕を上げてきていらっしゃるから、 細々とした指示はほとんど必要としない。 講師としてはこんなに楽なことはないね。 皆さんには「制作の骨の骨」をお教えしま…
今日は久しぶりの休日。 今日は何もしない、と決めていたが、 明日は岡山の職場に出勤しなければならない。 で、まずは岡山に向かって車を走らせることにした。 アパートを午前八時に出発し、 一般道をゆったりとしたスピードで西に向かう。 今日中に岡山の…
九州からM君がやって来る。 からくり人形のことを研究しているらしいのだが、 大学にはその資料も乏しく、 また教えてくれる教授もいないらしい。 私にその辺りのことを教えて欲しい、という依頼であったが、 彼が持ってきた作品集を見て驚いた。 彼の作る…
先日、M君の結婚披露宴が盛大に執り行われた。 その宴の最中、 弟のTから緊急の連絡が入る。 Tの嫁さんのお母さんが亡くなった、という連絡。 階段から転げ落ちたことが原因であったらしく、 意識が一度も戻らないままで旅立たれた、という。 今日もH君…
Aさんの日記に 「ポップコーンは映画館の匂い」、と書かれていた。 Aさんはアメリカに住んでいらしゃったことのある方だが、 その日記を読んでいて、昔のことを思い出してしまった。 昨日の夕食の献立は忘れているのに、 昔のことは妙に鮮明に憶えている。…
昨日は午後十時に神戸の職場を出発。 午前〇時に自宅に帰り着く。 玄関の扉を開けようとして、 夜空のあまりの美しさにしばし見とれてしまった。 この田舎に住んで二十年が過ぎようとしているが、 これほどに美しい星空を眺めるのは本当に久しぶりのこと。 …
アメリカの古書店から、 バルチモアの「Ottenheimer Publishers」が 一九九四年に出版した仕掛け絵本、 「Peter Rabbit / ピーター・ラビット」の四冊セットが届く。 「The Tale of Peter Rabbit」 「The Tale of Benjamin Bunny」 「The Tale of Tom Kitten…
「ロバート・B・パーカー」の「ダブルプレー」を読み終える。 小説に登場するのは、 黒人初の大リーガーである「ジャッキー・ロビンソン」と、 彼のボディ・ガードである、白人の「ジョゼフ・バーク」の二人。 「ロビンソン」は「ドジャース」に在籍した実…
ニューヨークの 「WHITE PLAINS GREETING CARD CORP.」社が 一九五十三年に出版した「飛び出す絵本」、 「SANTA VISITS MOTHER GOOSE」。 ある日、サンタクロースにマザー・グースからの手紙が届く。 「サンタのいないクリスマスなんて考えられない」 「マザ…
東京から帰る。 いろいろとプレッシャーはかけられたものの、 P社の方々との会食は実に楽しかったし、 O氏との対話もなかなかに実りが多かった。 今日は銀座の「月光荘」に出かける。 ヨーロッパにおける個展は何度かこなしているものの、 国内における個…
昨日から岡山の自宅に帰っている。 日中の日差しも和らぎ、 雲にも先日までの勢いが見られない。 職場の前の林では、 つくつく法師がやかましく鳴いている。 つくつく法師が鳴きだせば夏も、もう終り。 「山寺や岩に染み入る蝉の声」などという俳句を思い出…
学研の「大人の科学 Vol.20 手回し鳥オルガン」を買う。 ハンドルを回すと鞴(ふいご)が上下し、 空気を八本のバレルの中に送り込む。 で、バレル下方のスリットに 穴を開けたメロディ・カードを送りこむと、 穴の開いたところだけに空気が流れて音が出る、…
今日は徳島からSさんがお見えになる日。 ご注文の「草競馬」はとっくに出来上がっていたが、 昨晩、知人との長電話の後、 ふと、その作品の仕上げに手落ちのあったことに気付く。 気付いてしまったら直さずにはいられない。 今朝はいつもより少し早く出勤す…
前年の冬至から翌年の夏至に向かって、 太陽からの光と熱の照射量は徐々に増えていく。 そして、夏至から冬至に向かって、 その照射量は少しずつ減少していく。 冬至から少しずつ大気中に蓄えられていた熱が、 夏至からは少しずつ放出されていく。 だから「…
長男のDの夢で眼が覚める。 Dの子どもを膝の上に乗せている夢・・・。 Dは東京でフリーのイラストレーターとして生活しているが、 未だに女性との浮いた噂を一度も聞かない。 「あいつも今年で三十四歳になったはず」 「そろそろ俺も孫を膝の上に乗せてみ…